勢い余って人生論

ナイス、ナイス、ヴェリナイス

WBC決勝、日本が勝った。まるで筋書きつきのドラマのように9回裏で追いつかれ、延長に突入したあげくの大接戦を制した。 そこにあるのは感動だけだ。イチロー、おいしいところだけ持って行ったのかもしれないが、10回表のツーアウト2、3塁のあの状況、…

小室事件にほのみえるもの

深沢七郎『楢山節考』を読み終える。郷愁にあふれる牧歌的な文体と裏腹に、内容は「姥捨て山」に捨てられる、いや、正確には捨てられに行く女とその息子の物語である。 淡々と読み進め、淡々と読み終えて、獏たる感慨を抱いたが、なんともとらえどころのない…

田舎が育ててくれた愛情

関東に久しぶりに雪が降った。 積雪こそしないけれど、朝に車窓からしんしんと降り積もる雪のにおう情景がどこか親密で美しい感じがした。そして雪が降っていたほうが肌に感じる寒さも軽減されるのはどういった理由からなのだろうか。 今日は出産後の友達と…

テクネーなきテクノロジーの蔓延

気がつけば師走である。この日の経つの早さはなんだろう。毎日が金太郎飴のように思えるようであっても、それは思えるだけであって、実際には刻一刻と違う「今」を生きているのだけれど、何やら齢も20代の最後の年となると、それすら瑞々しく感じるための間…

日暮れて道遠し

今日は職場のM嬢とすこぶるワインを空けて呑んだだけあって、ずいぶん言いたいことを言ったし、M嬢も余計なことまで含めてずいぶん色々なことを告白していたと思う。そして、とても今日の飲み会は男同士の飲み会にありがちな下らないプライドの披瀝や軋轢…

剥落の味

誕生日が過ぎる。ずいぶん生きたなあ、と思う。大きくなったなあ、と。まるで庄野潤三の小説の出だしみたいだけれど。 林芙美子の談話を聴く。とても芯の通った、しみじみとした語り口。 例えば終戦直後の日本人について。「(洗濯のように、日本人が)大ゆ…

日本人は生きていない

日本人は生きていない、そのように外国人は日本人を見ていると養老孟司が『運のつき』の中で語っていて、なるほどなあと思った。今日は朝にモレーニのパスタでぺペロンチーノをつくり、昨日は讃岐うどんを作り、その夜は家系ラーメンを食べ、麺ばかり食って…

おお、この偉大なる報われなさよ

仕事がいよいよ忙しくなってきているのだが、大局を見誤るとどんなに忙しさにかまけていようが、なんの意味もなく杯は覆されるのだなと、心のそこから実感した、今日という今日は。 棋士の羽生善治はこう語る。(将棋で思わぬ手をさされた場合どうするかとい…

人生は深ける、酒の入った気持ちの良い宵に

この日は前日の興奮を引きずりつつも仕事に取り掛かるのだが、身が入るのだか、入らないのだか。もう人生で大事なことって、「自分が心から好きなこと、あるいは自分が本当だと思うことを追求していく、あるいは追究していく、そんでもってそのことを通じて…