日暮れて道遠し

今日は職場のM嬢とすこぶるワインを空けて呑んだだけあって、ずいぶん言いたいことを言ったし、M嬢も余計なことまで含めてずいぶん色々なことを告白していたと思う。そして、とても今日の飲み会は男同士の飲み会にありがちな下らないプライドの披瀝や軋轢がなくて実にすっきりしていて良かった。おれは竹を割ったような性格の女が基本的に好きだ。
会社をいづれ去るつもりだと、あっさりと、しかし確実な重みを持っておれも語ったものだけれど、それはこの人生なのだから、人生はなるようにしかならないわけであるから、仕方がない。覚悟があるか、ないか、結局は人間の凄みとか深さとかはそれだけなのだ。己の選択に対していかに覚悟なり矜持を持っているのか、それだけだ。それ以外に杓子があってたまるだろうか。
そのようなわけで、今日も一日が終わった。雨が降るのだか、降らないのだか、ハッキリしない一日。古本祭りの会場は、なんだかおっかなビックリの感じでビニールシートをかぶせたりして、なんだか興ざめであるし、7時にいっせいに店を畳むのも、牧歌的というか、世界に誇る古書店街というからには、もうすこしがんばってほしいものだというのがおれの感想だ。などと言いつつ、今日は小林秀雄の特集『百年のヒント』、正宗白鳥の『一つの秘密』を購入し、それはそれでホクホクであるわけで。