2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

老人の眼差し

公園や図書館のベンチの背にもたれかかり、子供たちや鳥たちの戯れを眺めるともなく見守っている老人たちをたまに見かける。 老人の・・嗄れた瞳の奥に沈殿する光がとらえる、躍動し、惹起し、移ろいでは消えて行く若々しい生命の彩りはどんなものなのだろう…

ナイス、ナイス、ヴェリナイス

WBC決勝、日本が勝った。まるで筋書きつきのドラマのように9回裏で追いつかれ、延長に突入したあげくの大接戦を制した。 そこにあるのは感動だけだ。イチロー、おいしいところだけ持って行ったのかもしれないが、10回表のツーアウト2、3塁のあの状況、…

サリエリ的悲哀

旧友の勧めにのって『アマデウス』を観た。実に味わい深い作品であった。 古書読むべく 古酒飲むべく 旧友信ずべきとは言ったものだ。しかし物語は友情物語などではなく、己の才能に絶望的になる余り、神を呪詛し、天賦の才能を無垢なまでに溌剌と見せつける…

春の獣たち

多摩にある動物公園に行ってきた。 春の陽気、春の風。白木蓮の花が、止まり木で休む小鳥のように綺麗に咲いている。 敷地面積が上野の3倍あるのもあって、動物たちは放し飼いに近いようなスタイルで飼育されていて、こちらまで開放的な気分で楽しむことが…

疾駆する闇

まだハイテクノロジーにさらされていない、いわゆる発展途上国を旅すると、 思ってもみない世界の中に没入することで、思ってもみないプリミティブな感情が生起することがある。ラオスに行ってきた。日本との気温差は多い時で20度くらいで湿潤な気候なのだ…