映画

「コンタクト」は宇宙の話だ。観るのは何回目だろう。 人智を超えた世界へのいざない。最新のCGや合成を駆使した仰々しい映像といったらそれまでだが、観終わった後に訪れる神々しい気分は確かだ。我々はちっぽけで、脆い。そんなことは9.11やアフガン報…

「夕凪の街 桜の国」を観る。麻生久美子が演じる1部と田中麗奈の2部による広島の原爆をテーマにした物語だ。 戦争ものの作品にありがちな重苦しさがなく、あえてそうしているのだろうが、牧歌的で美しくその時代が描かれていた。 こういう作品を観終わると…

グラン・トリノ

クリント・イーストウッド『グラン・トリノ』を観賞。 アメリカ移民のモン族と白人の老人とのささやかな、しかし味のある親密な交流を描く。 アメリカ(舞台は中西部だが)が抱える人種差別や暴力・銃社会といった理不尽で硬質な世界をバックグラウンドにす…

サリエリ的悲哀

旧友の勧めにのって『アマデウス』を観た。実に味わい深い作品であった。 古書読むべく 古酒飲むべく 旧友信ずべきとは言ったものだ。しかし物語は友情物語などではなく、己の才能に絶望的になる余り、神を呪詛し、天賦の才能を無垢なまでに溌剌と見せつける…

アルチュール・ランボー

ダラダラとした休日を過ごす。休日はダラダラと過ごすに限る。 正宗白鳥の文章を味わったり、小林秀雄の講演CDを聴いたり、アルチュル・ランボーの伝記映画を観たりして過ごした。映画は面白いのだけれど、最後があの描き方じゃあランボーに対してあんまり…

レニ・リーフェンシュタール

レニ・リーフェンシュタールのドキュメント映画『レニ』を鑑賞しおえる。レニという女性の、その小さな体躯のどこに秘められているのだろうかと思えるほどの、壮絶な好奇心に終始圧倒された。第二次大戦を生き、映画監督としてナチへの関与を問われ、最後ま…

ゴダールの『軽蔑』

ゴダールの『軽蔑』を観る。例によって全然入ってこない。びっくりするくらい入ってこない。ゴダールがヒーローだった60年代、70年代に生まれていたのなら、彼のアフォリズムに満ちた作品はやっぱり新しい何かとして衝撃をもたらしてくれたのかもしれな…

モーツァルトとクジラ

今日は朝にテレビが運び込まれて、それを押し込めたあと、こまかい設定をして映してみたらば、非常に美しく明瞭に映ったことには驚きだった。もはやアナログなどでは見れないな、などと思ったりもするのだけれど、よく考えればハイビジョンでなくても、大型…