春の獣たち

多摩にある動物公園に行ってきた。
春の陽気、春の風。白木蓮の花が、止まり木で休む小鳥のように綺麗に咲いている。
敷地面積が上野の3倍あるのもあって、動物たちは放し飼いに近いようなスタイルで飼育されていて、こちらまで開放的な気分で楽しむことができた。
家族連れがにぎわう、うららかな連休の中日。クマ、ライオン、コアラ、カンガルー、モモンガ・・・ことごとく春眠暁を覚えずの態で寝入っている。
夢うつつの動物たちの群れを眺めているうちに、自身も巨大な夢の中の一部に放り込まれているような感覚になるのは、白昼夢のなせるわざか。昨夜のホームパーティでの酒が残ってるだけか。
帰りは雑踏の下北沢へ。この1年、毎週のように下北沢に来ているのではなかろうか。連れ立った御嬢と「まるさんフーズ」で休息。いつ来ても美味也。
夜は暮れ、季節は巡る。下北沢の雑踏は太陽が地球を飲み込むまで続き、駅前で「北斗の拳」を暑苦しく読み上げる熱血漢の声は永遠にこだまする。
銀河に棲息するコウノトリが、新たな命を運ぶその日まで。