プーティーウィッ?

疲労感を残して起床して、ミゲル・ゼノンの中性的な音楽を流しながら日本経済の勉強をすすめる。朝食はどうしようかと思い、近所のベローチェとかはいやなので下北まで足を運びマサコでモーニング食べようと思ったら11:30openとある、無常。
ヴォネガットの『スローターハウス5』を読みながら別の店で茶をしながら朝をすます。月曜の朝の下北はとても気が抜けた炭酸水みたいなアンニュイな感じを出している、とても晴れていてうだるような日差しが指しているというのにね。
漫画喫茶で最強伝説クロサワを読む(1〜5巻ほど)。この漫画、おそろしいほど虚無の香りが立ち込めてる物語で、それは建設会社の独身オヤジの黒沢が主人公で、うだつのあがらない毎日に対する疑問がふつふつと43歳にして湧いてきたのを機にして些細なところから周囲の自分に対する評価を変革していこうという、それはもう涙ぐましいほどの努力が延々と淡々と綴られていくのだけれど、5巻くらいからなんだか格闘モノみたいになってきたので途中で投げ出してしまった。
デフレだの不景気だのの世相を反映したような漫画なのだけれど、こういうテイストの漫画はつげ義春以外知らないので新鮮だった。しかも黒沢の荒唐無稽で無骨だけれども実直な行動が周囲を少しずつ動かして時に感動をさそうあたりの描写には感動してしまって、思わず涙がこみ上げてきた箇所もあった。
黒沢はEQが高い、といったらちょっと違うんだけれど(周囲に誤解もされまくっているわけだし、思い込みが強すぎて理解に苦しまれるし)、そのあまりの無骨な思い込みが時に人の心の底辺あたりの脆い部分を突き崩すのも確かなのだ。
帰宅して昼寝をすまし、気持ちよく目覚めたあとに旧き良きヌーベル・バーグ(なんか語義矛盾)たちの合作である「愛すべき女・女たち」を観る。その中のマドモワゼル・ミミはまるで『感情教育』に出て来たマレシャル(ロザネット)を思い出させて、フランス革命期の高級娼婦はこんなんだったのかあと、なんだか面白かった。
しっかしまあ堕落した一日だこと。
明日からは仕事である。連休明けの机を目の当たりにしたおれはきっとこんなふうにでもいうのだろうか。ブーティーウィッ?