The time you spent for your rose

久しぶりの日記は疲れているので、ですます調でかかせていただきますです。
今日は某所で新作の絵本を発表してきました。といってもアマチュアですが。
今回も色々考えさせられたのだけれど、やはり表現する、ということは非常に難しいものです。
正確に言えば、表現し、その結果として人の心を揺り動かすというのはたやすいことではありません。
ましてそれで生計を立てて行くということとなると、自分の想像の域を超えて行きます。
個性的な作品たちが、芸術の名のもとに星の数ほど切り売りされる現代、いったい何が価値があり、何が偽物なのか。あるいは偽物などというものはなく、それぞれの個性がいかされたそれぞれの作品があるんですよということになるのか。さだめし不明なものです。
周囲を見渡して、己の芸術性に限界を感じて、そこで引き下がるのも一つの選択だと思います。そして良きカスタマーとして、星の数ほどの芸術たちに触れて人生を謳歌するのも、すばらしい生き方なのだと素直に思います。一般論ですね。
しかし、カスタマーとして甘んじていられない何かが心の中で疼きだした場合、周囲を見渡して、つまらないものばかりが賞賛されているなと癪にさわる場合、そんな場合は既成の芸術界に殴り込んでいけばいいのだと思います。殴り込むにも基礎体力は必要ですから、今のうちから広く文章を読み、広く音楽を聴き、絵筆を取り、楽器を握りしめ、体力をつけ、生活に張りを見いだし、心ある友人や恋人との時間を大事にしたいと思います。
ところで『星の王子様』の中の一節にこんな文章がありました。
It is the time you spent for your rose that has made her so important.
「あんたのバラがあんたにとって大切なものになるのは、そのバラのためにあんたがかけた時間のためだ」
倉橋由美子:訳)
一つの真理ですね。言葉や音、映像、画、いずれにしても不完全な器の中でいったい何を描いてみせるか。それはきっと時間の限定性の中で、どれだけの時間をまでにかけてあげられるかにかかっているのだと思います。
人生は短い。しかし焦ることなく悠々と急げ。