夕凪の街 桜の国」を観る。麻生久美子が演じる1部と田中麗奈の2部による広島の原爆をテーマにした物語だ。
戦争ものの作品にありがちな重苦しさがなく、あえてそうしているのだろうが、牧歌的で美しくその時代が描かれていた。
こういう作品を観終わるとアメリカ憎しの感情が高まってくる。フォードのマスタングを購入使用としていたがやめた。アメ車なんか買えるか・・・単純である。麻生久美子はこのヒロインのような役柄はまさにハマリ役である。
彼女が演じたヒロインは被爆した13年後に原爆症で亡くなる。美しいアカシアの木の下で、好きな人と実弟に見守られながら。

「原爆を落とした人、13年経ってまた一人死んだって喜んでいるかな」

木漏れ日の中で死の間際に力なく微笑む彼女の姿は虚ろで、哀しく、美しい。
日本人に生まれるということ、日本語をしゃべり、日本的な慣習の中に住まい、日本的な精神風土のもとで思考するようになるということ。善きにつけ悪しきにつけ。そして日本の歴史を背負うということ。
現在も原爆症で苦しまれている方はいる。